Body Works Blog

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鈑金・塗装ブログ

2017/11/04

アウディTT左側面板金塗装とアルミボディの修理について

アウディTT(タイプ8S)の左側面板金塗装です。
タイプ8Nから3代目に当たるモデルで、2代目のタイプ8Jからアルミボディになっており、過去数台アルミボディの修理をさせて頂いた事があります。
今回の修理は左ドアと左クォータパネルの鈑金と左サイドステップカバーの交換作業になります。
ドアの凹みはたいしたこと無かったのですが、左クォーターの損傷が大きくて難易度の高い
修復作業となりました。

アルミボディに関しては、アウディならR8やA8と今回修理させて頂くTT、あとジャガーなど
もアルミボディを採用しているメーカーの一つです。
また国産車では唯一ホンダがNSXにアルミボディ(モノコックを含む)を採用しております。

さて、何故アルミボディなのかと言うことから先ずお話をしますと、アルミボディの最大の利点は(車両の軽量化)になります。
車にとって軽量化は走行性能が向上し燃費もよくなり、メリットが大きいです。
しかし、デメリットとしては材料費がかさむため、車両本体の価格が高くなること、またアルミ鋼板の特性上、修復する難易度が格段に高いことが上げられます。
事故をしなければ、メリットが大きいので問題ありませんが、一度事故を起こすとかなり面倒な車になってしまいます。
また、アルミボディの修理は、メーカーの専門的なトレーニングを受講取得した技術者でなければ修理出来ない前提になっており、これが町にある鈑金工場では対応できない由縁と
なっております。

弊社に関しても、アウディ社のアルミボディ修理に関するメーカー指定は幅広いメーカーを扱う為、資金面や人員面で取得はしておりません。
今回の作業はクォーターの現状修復の為、リアフェンダーなどのボディパーツは不要です。
もしクォーターパネルの交換作業になる場合はアウディ社の指定工場で無ければ作業は出来ません、理由は指定工場にしか部品供給が出来ない仕組みになっているからです。
しかし、今回はあくまで現状修復なので、アルミ鋼板に関するある程度のノウハウと技術があれば修復出来るレベルであり、実際そうしなければかなり大がかりな作業となってしまいます。
アルミボディの修理は、スチールの様に簡単に溶接引き出し作業が出来ないので、基本は凹んでいるラインをきっちり寸法出ししてから、大きい凹みのみ鈑金修復していき、残る小さなへこみはパテで形成します。
アルミ鋼板の特徴として、歪みが鈑金で取れにくい、溶接の難易度が高い、一度鋼板が伸びてしまうと元に戻すのが超困難など、簡単に元に戻らない鈑金屋泣かせのボディであるのは事実であります(^^)